2022
10.05
10.05

点と点が線になる
水墨画は線の芸術とも言えます。
30歳を超えて留学した私はあの頃時間に焦っていた。
筆の中に力が入る線を描く事の大切さを中国では何回も先生から大切だと言われた。先生は絵を見るだけでそれが入っているかを見抜く。
「どうしたら強い線が描けるようになりますか?」と尋ねると
「再来。萬萬来。」
(また来ればいい。ゆっくりとそれば身に着くんだから。)
ここまで辿り着くのに何年かかったと思ってるの?
来たばかりなのに、また来いって???
焦りmax。
そして先生は静かに筆に水を含ませ、
黒板に垂らした。それは自然に下へと落ちた。


「これだよ。この線が一番素晴らしいんだ。」
重力を使って迷いの無い、地球と宇宙と繋がった線を描いた。
そしてそのまま流れるように枝を描いた。

原点に戻りたくなった。
この言葉を本当に理解したのは帰国後だいぶ経ってからでした。他と比べたり、世間体を気にしたり。今を生きればいい。
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